March 10, 2022

5G FWAを家庭に普及させるための課題

ポッドキャスト エグゼクティブサマリーレポート


固定無線アクセス (FWA) 技術の導入競争が激化する中、2つの異なるカテゴリーのネットワークサービスプロバイダーが、コネクテッドホーム (IoT によって統合的に接続され、モバイル端末などで制御できる仕組みを備えた住宅)の加入者から新たな収益源を獲得しようと取り組んでいます。1つ目は光ファイバーやケーブルサービスを提供する地上波ブロードバンドアクセス事業者、もう1つは携帯電話加入者にサービスを提供する無線ネットワークプロバイダーです。

これらのプレーヤーは、家庭の消費者の心をつかむ競争において興味深い競争力を発揮する一方で、長期的な成功を収めるためには、それぞれ埋めなければならない知識の不足部分があります。

この2つのカテゴリが、FWAの成長目標を達成するために顧客構内設備をいかに活用すべきかを理解するため、テクニカラー社コネクテッド・ホームの5G FWA製品管理ディレクター、Thibaud Lepageに話を聞きました。

以下に、彼の見解をご紹介します。

現在、ネットワークサービスプロバイダー(NSP)には、5G FWAの需要拡大を利用してビジネスを拡大する機会を探っている、全く異なる2つのグループがあります。

最初のグループは、ケーブルおよび通信事業者を含む固定回線NSPで構成され、xDSL ケーブルおよび光ファイバー技術を使用してコネクテッドホームへのブロードバンドアクセスを提供してきた長い歴史を持っています。 これらのサービスプロバイダーは、ブロードバンド接続に加え、近年では家庭内で無線接続を行うための堅牢なWi-Fiサービスも展開してきました。 しかし、FWAに関しては、4Gや5G規格に基づくセルラー技術の経験が不足しています。

2つ目のプロバイダーグループはモバイルサービス事業者で構成されています。モバイル機器を接続するセルラー技術には豊富な経験がありますが、コネクテッドホームへのブロードバンド接続や、消費者が今求めているサービスカテゴリーである住宅内で増え続けるデバイスの相互接続にはほとんど経験がありません。 その結果、モバイルサービスプロバイダーが提供するサービスは、家庭向けとしては最適なソリューションではないのです。 また、堅牢なWi-Fi接続のように、ローカルエリアネットワークレベルで全ユーザーへのブロードバンド配信を管理する方法も提供されていません。 これらのプロバイダーにとって重要なのは、家庭への無線(例えば5G)アクセスを提供するゲートウェイ技術なのです。

テクニカラー社コネクテッド・ホームは、ブロードバンドアクセス(無線および地上波)と家庭内ローカルエリア無線技術の全領域において、長年にわたり世界をリードし続けています。 当社は、両グループの間に存在する知識のギャップを埋め、ファーストクラスの接続性を実現するソリューションを提供できるというユニークな立場にあります。 当社の製品群は、今日の消費者が期待する主要な機能を重視すると同時に、コネクテッドホーム内でネットワークが混雑する状況を回避できます。

5G FWA導入には質の高いホームゲートウェイが不可欠

テクニカラー社コネクテッド・ホームは、さまざまなネットワーク構成をサポートする多くのキャリアグレードのゲートウェイを開発してきました。

当社のソリューションは、信頼性が高く、ミドルウェアを管理できるオープンシステムのHOMEWAREとRDK-Bの技術に基づいており、事業者は当社のパートナーによる活発なエコシステムを利用して、革新的なサービスを市場に提供することができます。 そういった意味で、コネクテッドホーム加入者向けの機能追加は、スマートフォンのアプリ追加のようなものになっています。

HOMEWAREは、当社のエンジニアがキャリアグレードの要件に合わせて拡張したオープン標準をベースに構築されています。 RDKは、ブロードバンドの中核機能を標準化した、フルカスタマイズ可能なオープンソースのソフトウェアソリューションです。

テクニカラー社コネクテッド・ホーム・ゲートウェイは、フォワード・エンジニアリングで構築されているため、NSPは新しいサービスを生み出し、加入者1人当たり売上高(ARPU)を向上させることができます。 当社の製品は、NSPが加入者に提供したいさまざまなアプリケーションをあらかじめ組み込むことができるように設計されています。 これは、強固なテクニカラー社コネクテッドホームHEROパートナー・プログラム [HEROパートナーリストへのリンク] によって促進され、NSPはアプリケーションの完全なライフサイクル管理とゲートウェイ自体のメンテナンスを加入者に提供することができます。

また、テクニカラー社コネクテッド・ホームのソリューションは、セキュリティを最優先に開発されているため、リスクを調整しながらさまざまなコンポーネントと相互運用が可能です。

セキュリティは、世界中のほとんどのNSPにとって重要な差別化要因となるでしょう。 全体的に家庭での5G FWAの利用が進むにつれ、個人データ、プライバシー、ホームネットワークデバイスへのアクセスには、著作権侵害やネットワーク攻撃からのさらなる保護が必要になるでしょう。

そのため、5GのCPEは、ブロードバンドやワイヤレス接続からエンターテイメントやIoTサービスまで、エコシステム全体を保護する最高レベルのセキュリティを実装する必要があります。 デバイスミドルウェアとその上で動作するすべてのアプリケーションの保護が重要になるでしょう。 テクニカラー社コネクテッド・ホームは、当社の製品と技術のセキュリティを確保するために、多段階の厳格なプロセスを採用しています。

  • まず、製品開発の段階で3段階のセキュリティチェックを行い、脆弱性のリスクを低減しています。 すべてのコードによるコントリビューションは、セキュリティ違反がないか夜通し検証され、お客様の承認前に開発者へ自動的に通知されます。
  • 開発が完成に近づくと、オープンボックス(コードレビュー経由)とクローズドボックス(侵入テスト経由)の両方の環境で、専門のセキュリティチームがコード全体を検証します。
  • 専門チームがソフトウェアコンポーネントや技術を追跡し、 製品納入後も継続的にセキュリティの脆弱性をチェックします。
  • 最後に、テクニカラーの製品は、独立したソフトパーティセキュリティ研究所によって定期的に検証されています。 こうした厳格なテストにより、製品と技術の安全性が確保されています。